Re: [OSM-ja] 北海道の廃線マッピングの対応について
いいだです。 > 念のため確認ですが、いいださまのご意見も「法的にOKであろうと、OpenStreetMapの内部規範としてNG」「許諾されたソース以外使わない」→「 Wikipediaの属性情報(名称など)をOSMに投入するのは運用規定としてNG」ということでよろしかったでしょうか? 「Wikipediaの属性情報(名称など)をOSMに投入する場合、他の書籍や現地記述などの情報源も参照し、 それがWikipediaのみの記載ではなく事実であることが確認できればOK」 というかんじです。 Wikipediaそのままをコピるのは、(法的にはOKだと思うので積極的に消しはしないけど)推奨される行為ではない=NGに近い行為と認識しています。 他方、Wikipediaをちょっとでも参照したらNG、となるのは避けたい、という意図です。 というのも、Wikipediaなどをきっかけに調査することが多いであろうタグとして、 現地にもほぼ記載がない、あるいは調べることができないけれども事実である、というものがあると思っていて。 例えばpower関連のviltageタグや、railwayで使われるgauge, frequency, voltageタグあたりは 現地の記載ではなく、かなりの確率で、なにかしらの情報源を参照しているであろう、と思っていたりします。 https://wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:Tag:power%3Dline https://wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:Tag:railway%3Drail 合意をとったうえで、グローバルのMLで質問したり、OSM wikiに記載するのは賛成します。 2019年5月24日(金) 7:16 tomoya muramoto : > いいださま > > お返事ありがとうございます。 > > いいださまのコメントで気づかされましたが、確かに「法(著作権)」「規約」「規範」をひっくるめてしまっていたようです。 > > 改めて私の意見を述べます。私が反対するポイントは「規範」です。 > > 私の理解では、OSMはこれまでデータソースにはかなりの厳格さを求めてきました。"Whiter than > white"という言葉も聞きます。まさに「李下に冠を正さず」「法的にOKであろうと、OpenStreetMapの内部規範としてNG」がOSMのスタンスかと思います。 > > Wikipedia記載の名称をOSMに投入するのは、「李下に冠を正さず」を崩すものと私は考えます。その場合、legal-talk等でまず合意を取る必要があるのではないでしょうか。少なくとも日本コミュニティ内で合意をとって、osm > wikiに明記する必要があるのではないでしょうか。 > > また、「Wikipedia記載の名称は『事実』であるのでOSMに投入してOK」となった場合、関連して様々な課題が生じることが予想されます。興浜南線の線形、興浜南線が現在廃線であること、興浜南線の開業・廃止日など様々な情報が『事実』であると思いますので、Wikipediaを参照してOSMに投入してOKとなります。しかしWikipediaは二次ソース情報を集約したものであり、一次ソース情報(local > knowledge, ground > truth)を是とするOSMとはマッチしにくいと思います。どこまでがOSMに投入してよい『事実』であるのかも、事前協議が必要と考えます。 > > 念のため確認ですが、いいださまのご意見も「法的にOKであろうと、OpenStreetMapの内部規範としてNG」「許諾されたソース以外使わない」→「 > Wikipediaの属性情報(名称など)をOSMに投入するのは運用規定としてNG」ということでよろしかったでしょうか? > > 他の方のご意見もお伺いしたいですが、合意が得られましたらJA:Available_Dataに記載しておこうと思います。 > https://wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:Available_Data > > muramoto > ___ > Talk-ja mailing list > Talk-ja@openstreetmap.org > https://lists.openstreetmap.org/listinfo/talk-ja > -- Satoshi IIDA mail: nyamp...@gmail.com twitter: @nyampire ___ Talk-ja mailing list Talk-ja@openstreetmap.org https://lists.openstreetmap.org/listinfo/talk-ja
Re: [OSM-ja] 北海道の廃線マッピングの対応について
いいださま お返事ありがとうございます。 いいださまのコメントで気づかされましたが、確かに「法(著作権)」「規約」「規範」をひっくるめてしまっていたようです。 改めて私の意見を述べます。私が反対するポイントは「規範」です。 私の理解では、OSMはこれまでデータソースにはかなりの厳格さを求めてきました。"Whiter than white"という言葉も聞きます。まさに「李下に冠を正さず」「法的にOKであろうと、OpenStreetMapの内部規範としてNG」がOSMのスタンスかと思います。 Wikipedia記載の名称をOSMに投入するのは、「李下に冠を正さず」を崩すものと私は考えます。その場合、legal-talk等でまず合意を取る必要があるのではないでしょうか。少なくとも日本コミュニティ内で合意をとって、osm wikiに明記する必要があるのではないでしょうか。 また、「Wikipedia記載の名称は『事実』であるのでOSMに投入してOK」となった場合、関連して様々な課題が生じることが予想されます。興浜南線の線形、興浜南線が現在廃線であること、興浜南線の開業・廃止日など様々な情報が『事実』であると思いますので、Wikipediaを参照してOSMに投入してOKとなります。しかしWikipediaは二次ソース情報を集約したものであり、一次ソース情報(local knowledge, ground truth)を是とするOSMとはマッチしにくいと思います。どこまでがOSMに投入してよい『事実』であるのかも、事前協議が必要と考えます。 念のため確認ですが、いいださまのご意見も「法的にOKであろうと、OpenStreetMapの内部規範としてNG」「許諾されたソース以外使わない」→「 Wikipediaの属性情報(名称など)をOSMに投入するのは運用規定としてNG」ということでよろしかったでしょうか? 他の方のご意見もお伺いしたいですが、合意が得られましたらJA:Available_Dataに記載しておこうと思います。 https://wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:Available_Data muramoto ___ Talk-ja mailing list Talk-ja@openstreetmap.org https://lists.openstreetmap.org/listinfo/talk-ja
[OSM-ja] 信濃川リレーションに対するfixmeタグのコメントについて(Triglav2018さんとのやり取り)
鍋太郎です。 先月からTriglav2018さんとやり取りしていました。 御本人はMLに参加するつもりはないとのことと、MLへ投げても良いとのことでしたので、 内容をそのまま転記して共有したいと思います。 長くて申し訳ありません。 ※日付はUTCになっています。 #思うところはいろいろありますが、まずは共有だけにしたいと思います。 - From: nabetaro To: Triglav2018 2019年04月 5日 10:56 nabetaroです。 信濃川リレーションに対するfixmeタグに以下のコメントを頂いたようですのでメッセージをお送りします。 エリアがどうしてwaterwayになるのか説明してほしい fixmeタグでは通知されることがないため気がつくのが遅れてしまいました。 申し訳ありません。 このfixmeに以下を記載したのは私です。 不正なmultipolygonのみ修正。同名リレーションがあるため統合するか、riverbankをリレーションに含めるべきでなければ削除が適当と思われる まず、waterwayについては、以下に定義されています。 https://wiki.openstreetmap.org/wiki/Waterways (英語) https://wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:%E6%B0%B4%E5%9F%9F (日本語) こちらに、線形の水域に続き、「広い河川、湖沼、貯水池、島」としてriverbankを記述する方法について記載されています。 そのため、少なくともosmにおいては、riverbankはwaterway(の一部)とみなされていると考えます。 但し以下の理由により、relationにriverbankを含めるのは待ったほうが良いとも考えます。 https://wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:Relation:waterway にはriverbankロールの説明もありますが、こうも書かれています。 承認されておらず、あまり利用されておらず、異論があります - Talk:Relation:waterway を参照してください 内容は読み切れていませんが、waterwayリレーションについてのriverbankの扱いは微妙です。 そのため、「riverbankをリレーションに含めるべきでなければ削除が適当と思われる」と記載しました。 ではmultipolygonではどうかと言うと、 https://wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:Relation:multipolygon に記載があります。 The conditions to form a valid multipolygon relation are the following: If an endpoint is shared by more than two unclosed ways, it's ill formed and a closed polygon can't be reconstructed unambiguously. invalid example 2 (Exception - points shared by an even number of unclosed ways might be part of touching inner rings which is ok.) 少々わかりにくいので、以下を見ていただきたいです。 https://wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:Relation:multipolygon#Overlapping.2C_unclosed_member_ways_belonging_to_the_same_role multipolygon を構成するpolygonは、2点を共有するように配置することができず、不正なmultipoylgonになります。 つまりriverbankのような連なったpolygonをmultipolygonリレーションに入れることはできません。 以上より JOSMエディタによる妥当性検証において、「エラー判定」されていましたので、以下の修正を行いました。 https://www.openstreetmap.org/changeset/68356080 現在、信濃川リレーションはmultipolygonに戻され、エラーが復活しています。 連なる千曲川リレーションもmultipolygonも同様です。 (こちらには開いたwayがmultipolygonに登録されているという別のエラーもあります) 以上でご質問への回答になったでしょうか? ご確認をよろしくお願い致します。 - From: Triglav2018 To: nabetaro 2019年04月 8日 11:01 詳しい解説ありがとうございます。 一番は編集ツールごとでエラー判定が異なることに問題がありそうです。 Wikiepdiaの「ネヴァ川」に採用されているのを見つけてから日本の河川に写し取ってみましたが、なるほどネヴァ川のメンバーにはriverbankが使われていませんね。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%83%B4%E3%82%A1%E5%B7%9D https://www.openstreetmap.org/relation/2599821 新たに湧別川を書き直しましたのでご確認ください。 https://www.openstreetmap.org/relation/9279259 - From: nabetaro To Triglav2018 2019年04月 9日 16:00 返信ありがとうございます。 On 2019-04-08 11:01:18 UTC Triglav2018 wrote: Wikiepdiaの「ネヴァ川」に採用されているのを見つけてから日本の河川に写し取ってみましたが、なるほどネヴァ川のメンバーにはriverbankが使われていませんね。 新たに湧別川を書き直しましたのでご確認ください。 https://www.openstreetmap.org/relation/9279259 拝見しました。 なるほど、multipolygonの外周を開いたwayで接続して全体のエリアとしたのですね。 確かにJOSMとしてはエラーにならなくなります。 ただ、もとの私のfixmeに記載した以下の内容 不正なmultipolygonのみ修正。同名リレーションがあるため統合するか、riverbankをリレーションに含めるべきでなければ削除が適当と思われる の中で、統合ないし削除を記載した理由の中に、前回出典を示せなくて省略したものがあります。 後出しになってしまい申し訳ありません。 OpenStreetMapのベストプラクティスの中に、「地物ひとつにOSM要素はひとつ」というのがあります。 https://wiki.openstreetmap.org/wiki/One_feature,_one_OSM_element (英語) https://wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:%E5%9C%B0%E7%89%A9%E3%81%B2%E3%81%A8%E3%81%A4%E3%81%ABOSM%E8%A6%81%E7%B4%A0%E3%81%AF%E3%81%B2%E3%81%A8%E3%81%A4 (日本語) 「湧別川」にしろ「信濃川」にしろ、これらを表すリレーションが現状では2つづつあります (waterwayとmultipolygon)。 この状況は「地物ひとつにOSM要素はひとつ」に反していると考えます。 そのため、統合すべき、または統合の結果、記載するべきでない情報となったしまう場合は、削除すべきと考えています。 また、waterwayは水域を表しますが、multipolygonは複数の多角形を組み合わせたものを表します。どちらが情報として詳細でしょうか。 以上から、multipolygon「湧別川」リレーションが持つメンバ及びタグは、waterway「湧別川」リレーションに(不都合がないもののみ)移動し、multipolygon「湧別川」リレーションは削除が良いと思っています。 以上ご確認ください。 - From: Triglav2018 To: nabetaro 2019年04月12日 18:46 OSMに無知な状態で意見することをお許しください。 「地物ひとつにOSM要素はひとつ」は、確かにそのとおりだと思います。 でも河川に地物が2つ重なっているとしたら? 道路は、線で表現します。 湖水は、面で表現します。 河川は、流路の線と、水域の面の2つの地物が重なっているのではないでしょうか? なぜなら、流路のリレーションは水域を取り込まないし、その逆も然りです。 各国の河川を見てみましたが、両方を取り込んでいるリレーションを見たことがありません。 もし重複の判定を名称でされているのだとしたら、主である「流路」に対しての従「水域」の名称を取り除いてしまえばよいと思います。 さて、本題 今回開発されたウィキペディアへの移入ツールがなぜ type=waterway を拒絶しているのかが謎です。データの軽量化なのでしょうが、ノードを大量に間引きしてしまっているためにウィキペディア上でマップを拡大したら見れたものではありません。そのような状況で河川に対しては「面」で表現させようとしている。 河川も湖の延長にとらえているのでしょうね 湖のリレーションは natural=water, type=multipolygon, water=lake なので https://www.openstreetmap.org/edit?changeset=68860510 河川のリレーションは natural=water, type=multipolygon, water=river となるのでしょう。 - From: nabetaro To Triglav2018 2019年04月13日 21:57 On 2019-04-12 18:46:24 UTC Triglav2018 wrote: 「地物ひとつにOSM要素はひとつ」は、確かにそのとおりだと思います。
Re: [OSM-ja] 北海道の廃線マッピングの対応について
いいだです。 お返事遅れてすみません。 >> 地物の属性をWikipediaから(文章をそのまま使っているわけではないので"問題ない"と思う) > Wikipediaの属性情報(名称など)をOSMに投入しても問題ないとのご意見でしょうか? 名称それ自体には著作性が存在しえないので、法的には問題ないのではないかと感じています。 ただし、「李下に冠を正さず」ではありませんが、あまり推奨された行動であることは間違いなく、 現地表記や書籍の記述等、別ソースも活用して、 それが「事実である(=著作性がない)」ことを確認するのが強く推奨される行動とは思います。 (場合によっては、nameではなく official_nameや alt_nameにすべきWikipediaの項目もあるでしょう) > Googleマップに登録された店舗名称などをOSMにコピーするのがダメな理由がなくなってしまう ちょっと重箱の隅になってしまうかもしれませんが、 Google Mapsは、著作権をもとに権利を主張しているわけではなく、 あくまでも彼らの利用規約のなかで転載を禁じてい「ました」。 (以前はGoogle Mapsに©表示がなかったために明確だったのですが、 最近のMapsには©googleが表示されるようになっています。なので「禁じていました」で過去形にしています。 禁止規約 2条 aおよびb、のあたりが該当していて、特にbで「コンテンツ」としているのが顕著です) https://www.google.com/intl/ja/help/terms_maps/ なので、(少なくとも日本国の著作権法上で)著作権的にOKな事実情報であっても、 利用規約的に転載がNGであると主張してくる可能性がある、と認識しています。 そして実際のところ、他の地図プラットフォームでそこまで考えて規約を設定しているところはほとんど無いので、 そういうところからは実は転載し放題なのではないか、という意見もあるかもしれません。 ただ、そこは「法的にOKであろうと、OpenStreetMapの内部規範としてNG」 (および、国外からの指摘に対して説明し返すのが非常に困難なうえ、国内の裁判例としても微妙ライン)ということで 「許諾されたソース以外使わない」というのは妥当な運用規定なのではないかな、と感じています。 2019年5月17日(金) 19:34 tomoya muramoto : > こちらでも議論が進んでいるようなので少しだけ。 > > >地物の属性をWikipediaから(文章をそのまま使っているわけではないので"問題ない"と思う) > > Wikipediaの属性情報(名称など)をOSMに投入しても問題ないとのご意見でしょうか? > > 私はこれには反対です。 > これを許容した場合、Googleマップに登録された店舗名称などをOSMにコピーするのがダメな理由がなくなってしまうと思います。 > > ___ > Talk-ja mailing list > Talk-ja@openstreetmap.org > https://lists.openstreetmap.org/listinfo/talk-ja > -- Satoshi IIDA mail: nyamp...@gmail.com twitter: @nyampire ___ Talk-ja mailing list Talk-ja@openstreetmap.org https://lists.openstreetmap.org/listinfo/talk-ja