あけましておめでとうございます。

平野です。

昨年2011年6月13日 OpenOffice.org が Apache Software
Foundation(ASF:アパッチソフトウェアファウンデーション)に受け入れられ、インキュベータ(孵卵中)プロジェクトとしてスタートしてから半年とちょっと。非常にエキサイティングな半年とちょっとでした。
http://wiki.services.openoffice.org/wiki/JA/Apache_OpenOffice/Status/
:)
この間 Apache OpenOffice について「中心メンバーはIBMの社員」といったことを何の根拠もなく書いている記事がみかけられました。
これがまったくのデタラメであることは上記ページに示されたメンターとコミッターそして新たに承認されたコミッターの顔ぶれを見れば明らかです。
中心メンバーとはこれらメンターとコミッターのことになります。
これを見れば「中心メンバーはIBMの社員」とは言えないはずです。
このような基本的な情報を確認もせずに「中心メンバーはIBMの社員」だというのは、IBMの社員の方にも、また他の個人ボランティアにも失礼です。

ネット上には、記事を書くときの基本的な姿勢や必要な取材の基本を知らない人が書いた記事が多く見られます。
特にオープンソースソフトウェア関係に多いようです。

1. 知らないことは書かない。
2. 知っている人に取材する。
3. 根拠を示す。

これが最低限の基本です。

つまり「Apache OpenOffice のことを書くなら Apache OpenOffice の人に聞け」ということです。
:)

この簡単なことができない人が、ネット上でオープンソースソフトウェアについて書き散らかしている人のなかに多いというのが現状です。

さてOpenOffice.orgを受け入れたASFとは何でしょうか。
http://www.apache.org/
このASFホームページにも書いてありますが、ASFには100以上のTLP(トップレベルプロジェクト)があります。TLPとはASF基準を満たす一人前のプロジェクトのことです。
http://projects.apache.org/projects/http_server.html
これはご存知の方が多いでしょう。
世界で最も有名なウェブサーバーですね。
インターネットの世界でこれにお世話になっていない人はいないでしょう。
:)
ASFに受け入れられてもすぐにTLPにはなれません。
どんなプロジェクトもまずインキュベータ(孵卵中)プロジェクトから始めます。
http://incubator.apache.org/

1.Accumulo, 2.Ace, 3.Airavata, 4.Ambari, 5.Amber, 6.Any23, 7.Bean
Validation, 8.Bigtop, 9.Bloodhound, 10.Callback, 11.Celix, 12.Chukwa,
13.Clerezza, 14.Deft, 15.DeltaSpike, 16.DirectMemory, 17.Droids,
18.EasyAnt, 19.Empire-db, 20.Etch, 21.Flex, 22.Flume, 23.Giraph,
24.Gora, 25.Hama, 26.HCatalog, 27.HISE, 28.Isis, 29.Jena, 30.JSPWiki,
31.Kafka, 32.Kalumet, 33.Kato, 34.Kitty, 35.Lucene.Net, 36.Lucy,
37.ManifoldCF, 38.Mesos, 39.MRUnit, 40.NPanday, 41.Nuvem, 42.ODF
Toolkit, 43.Oozie, 44.Openmeetings, 45.OpenNLP, 46.OpenOffice.org,
47.PhotArk, 48.RAT, 49.Rave, 50.S4, 51.SIS, 52.Sqoop, 53.Stanbol,
54.Stonehenge, 55.Tashi, 56.VCL, 57.VXQuery, 58.Wave, 59.Wink,
60.Wookie, 61.Zeta Components

現在インキュベータプロジェクトは61あります。

OpenOffice.org の受け入れは ASF にとってカルチャーショックでした。
OpenOffice.org にとってもカルチャーショックでした。
まず Apache Way と呼ばれる「アパッチのやり方」があります。
これについてはよいスライド[1]とビデオ[2]があります。
Apache OpenOffice のメンター Ross Gardler が ODF Plugfest でプレゼンしたものです。

[1] http://www.slideshare.net/rgardler/the-apache-way-and-openofficeorg
[2] https://plus.google.com/109175303602657131317/posts/KHGcDTZMJMN

一方ASF側のカルチャーショックのひとつは OpenOffice.org という製品とコミュニティの多言語性でしょう。
ASFのメーリングリストアーカイブは国際化が進んでいません。
x...@ja.openoffice.org というメーリングリストをサブスクライブしている方の移行先として
ooo-general...@incubator.apache.org
を作りましたが、ASFのメーリングリストのアーカイブでは日本語がタイトルでも本文でも化けます。
http://mail-archives.apache.org/mod_mbox/incubator-ooo-general-ja/
ASFのメーリングリストはたくさんあります。
http://mail-archives.apache.org/mod_mbox/
英語以外のメーリングリストは3つしかありませんでした。
https://blogs.apache.org/OOo/entry/the_second_japanese_language_mailing
そのへんの事情を私はブログに書きました。
過去ブラジルポルトガル語、ドイツ語、日本語のメーリングリストがあったようです。
ですから ooo-general...@incubator.apache.org はASF史上二番目の日本語メーリングリストになります。
Apache OpenOffice では最初の英語以外のメーリングリストです。
2番目はイタリア語で、ooo-utenti...@incubator.apache.org です。
http://mail-archives.apache.org/mod_mbox/incubator-ooo-utenti-it/
やはりアーカイブでタイトルが化けたりするようです。

今後、Apache OpenOffice
が多数言語のローカライゼーションやローカライズド・ビルドのリリースをスムースに行っていくためには、各言語でのコミュニケーションやマーケティングが必要で、メーリングリストのアーカイブの国際化は必須となります。つまりどんな言語で投稿してもタイトルも本文も化けないメーリングリストのアーカイブがなければなりません。

https://cwiki.apache.org/confluence/display/OOOUSERS/Native+Language+Projects
なんといっても OpenOffice.org
は41言語のインストールセットと70言語のランゲージパックをリリースし、100以上のネイティブランゲージプロジェクトないしローカライゼーションチームがあったのですから。
:)


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khir...@apache.org
Apache OpenOffice (incubating)
http://incubator.apache.org/openofficeorg/
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