中本です。おはようございます。

確かに、最近は翻訳、QAともにとても活発なようです。
かつての活気をやっと取り戻したかのようです。

ただし、私はこのままで良いとは思っておりません。特に翻訳やQAについては、かつて
Sunが担っていた部分をコミュニティでやっています。つまり、出てくるアウトプット
としてはこれまでとあまり変わっていません。今コミュニティで活動していただいてい
る方の活躍はとてもありがたいのですが、それ以上にもっとたくさんのアウトプットを
出していかなければ、OOoコミュニティ全体としては昔よりも少ない成果物しか出てき
ません。

また、貢献者が増えるとそれを取りまとめる人の役割が重要になってきます。作業する
人が増えた分だけ、当然取りまとめ役の人をつける必要があると思うのですが、今はそ
ういう人材が足りていません。自らコミュニティにとって必要だと思えることを企画し
て、人を集めて、成果をまとめるところまでをやる人がいてくれると嬉しいのですが...
そんな人は黙って腕を組んでいてもコミュニティには現れません。

私も小規模なチームを構成して2.0新機能ガイドの翻訳やイベント出展の旗振り役を経
験したことがありますが、3〜4人程度の成果をまとめて1つのものにしていくだけでも
とても大変なことです。寝る間も惜しんでやったこともありますが、自分の企画したこ
とは最後まで責任もってやり遂げるだけの環境が当時はありましたし、やり甲斐をもっ
てそれらの活動を行うことができました。ですので、そういった人をサポートしたり、
バックアップすることは当然のこと、そのような活動を促すこともしていかなければい
けないし、さらに評価もしていかなければならないでしょう。

また、最後に私もとても難しいと思う課題が一つあって、今の活気が一過性のものとな
らないかどうかをとても心配しています。一言で言うと「継続性」の問題です。コミュ
ニティの力は恐ろしいもので、あるときにワーッと盛り上がるときには驚くべきほどの
量の成果が出てきます。しかし、ある時になるとそれがパッタリ止まってしまいます。
かつて、OOo日本語プロジェクトもそういうことがありました。しかし、この問題はOOo
に限らず、他のオープンソースソフトウェアのプロジェクトでも問題になることがある
かと思います。私はLinuxの日本語入力環境関係のコミュニティで、そのような経験を
しました。これに対する解決策としては、まだあまり妙案が思いつきませんが、多面的
に時間をかけて取り組むべき課題だと思っています。「多面的」というのは、組織の問
題やメンタリティの問題もありますし、金銭的な問題にも取り組まなくていはいけない、
ということです。

-- 
Takashi NAKAMOTO <bluedw...@openoffice.org>


On Sun, 15 Feb 2009 23:29:35 +0900
Katsuya Kobayashi <katuya21.k...@gmail.com> wrote:

> 皆様、小林です。こんばんは。
> 
> 樋口さん、コミュニティの興味深い運営事例としてjposugでのCore ContributorのVote記録を拝見しました。
> 
> chaliceさん、ガバナンスの一つの評価軸のご提示は貴重で、コミュニティの成熟度評価に汎化が期待されます。
> 
> 中本さん、現在の日本語プロジェクトでは、翻訳、QAのサブプロジェクトで過去最高のContributorを記録し、均質ではありませんが重要度の高いアクティビティから活発なContributorの参画が相次いでおります。2009年度のOpenOffice.orgのマーケティングの主眼は開発者の糾合にあり、引き続きご活躍を期待しております。
> 
> このスレッドについては、これで失礼し、別途コミュニティ・ガバナンスについては、皆様とご一緒に学ばせていただきたいと考えております。
> 
> 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
> 
> Thanks,
> Katsuya Kobayashi
> 
> http://www4.plala.or.jp/k21/
> 



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