Toraです。catch さんの呼びかけが、ちょっと面白そうなんで。

> 管理者の手間は変わらないですよ。
> サーバがオチたら最後、全部かぶることになるし、そのことを考えると保守の
> 仕方を色々と用意しておかないといけないし。

手間は変らないのではなくて、手間の内容が大きくかわるのではないでしょうか。

現状のPC一人1台形態ですと、管理者が各人のビルや居室へ出向いていって、
それも、98, 2000, XP などの各バージョンの CD-ROM なども携えて。

サーバーが落ちるなんて、そのサーバー君のOSが信頼性の低いやつなんじゃないでしょうか。
Solaris 使っていると、サーバーが落ちるなど、考えたこともないくらい、落ちないです。
もちろん、ハードディスクは壊れるでしょうし、メモリはエラーするでしょうから。
それなりに、ハードディスクにはRAID、メモリにはECC付きなどをつかって、価格的には、
すこしお高くなるかもしれませんけど。

何よりも、雷が鳴って瞬断が。PCは固まったが、シン・クライアントはびくともしない。
各PCに無停電電源を設置しましょうか。それよりも、サーバールームを強固にする方が楽じゃ
ないでしょうか。

> あと、意外とエンドユーザの技量も「シンクライアントを使うことを理解でき
> る」レベルでないと...とか思ってます。

そうでもないかもしれませんよ。いまどきのユーザーは、結構わかって使えるのでは
ないでしょうか。何よりも、ユーザーは、コンピューターのプロではなくて、業務の
プロですよね。

コンピューターの管理者は、ユーザーの技量が低いというようなことを言っていては
いけないと思います。業務のプロから見れば、私なんて、単なるど素人ですから。。。

コンピューター屋さんは、ユーザーがユーザーの業務を効率よく進められるようにと、
支援している縁の下の力持ちだと、一歩下がった立場で接するのがよいと、私は考えています。


> 70 台分を動かすサーバで 300 万なんてのもありえないでしょうし。

いまどきはそんなもんじゃないでしょうか。1台50万円程度が4, 5台もあれば、十分でしょう。
まあ、サーバー機種のお値段が、そもそもぼったくっているからか、ご指摘の通り、
もう少し高額になるかもしれませんけど。

ほら、Windows では重くなったパソコンでも Linux ではまだまだサクサク使えるって、
よく耳にしませんか。つまりは、OS の作り方次第かもしれませんよね。

だいたい考えてみてください。世の中、電気の無駄遣いではないでしょうか。
3GHz の CPU がフルに仕事することなんて、事務系の業務では、めったにないでしょう。
だいたい、99% は、カナ漢字変換に費やされているのではないでしょうか。それなら、
携帯電話程度ののCPUでも十分ではないでしょうか。

というわけでして、実際に導入した例なのですが、60台のシン・クライアント端末を
4台のサーバーで収容した例なのですが、十分使えています。

メモリ4Gバイトの1台のサーバーで15台くらいのシン・クライアントを面倒みています。
それなのに、スワップすら発生しないのです。なんてったって、UNIX ですから、
StarSuite (OOoの製品版) が15個動いても、その必要なメモリの内容のほとんどは、
共有ライブラリですから。

実際のメモリ使用量は、おおまかに言って、
 300MB x 15 = 4.5GB ではなくて、
 300MB x 1 + 数MB x 15 = 例えば 500MB
ぐらいなもんです。

また、StarSuite の起動時間は、たったの2,3秒です。なんてったって、すでに誰かが
使っているので、起動時には個人設定用ファイルの読み込み以外のディスクアクセスは
発生しないし、必要な共有ライブラリファイルの内容は、すでにメモリ上にあるのですから。


実際に、シン・クライアント端末を導入してみて、わたかったことがあります。
Windows がやっぱり必要なのです。マクロがびしばし入った Excel ファイルが業務上、
外部からやってくるのです。

そこで、やはり、現状では、
・全体をUNIX系のシン・クライアント端末で構成し、
・VMware, Real VNC, rdesktop などで Windows を動作させ、シン・クライアント端末上に投影する。

既存のWindows PC をそのまま使えるという点では、Real VNC (一番高い商用ライセンスでも
10ライセンスで合計4万円ぐらい。無償ライセンス版もあり)、や、rdesktop (無償。GPLライセンス。
でも、Windows Terminal Server を購入しなけゃいけないみたい)、が良いのかも。
Tarantella というのもあるけど、価格的にはいまいち。
しかしこのような遠隔デスクトップだと、動作速度は、古いパソコンのまま。わざわざこれから
新しいPCは買わないでしょ?

既存のWindows PC をサーバーへ移行させちゃおうっていうプランだと、VMware が良いかも。
ハードディスク容量 4GB とか 8GB しか積んでいなかった 98やMe パソコンのハードディスクの
内容をそっくり読み出して、いまどきの数100GBのハードディスクへコピーして、VMware から
使うのです。動作速度は、当時のパソコンと比較すると、見違えるほど速くなります。

この場合のVMwareのライセンス、VMware 社に聞いてみないとわからないけど、もしかして、
何人で使っても、たったの1ライセンスで数万円でいいのでしょうか。だって、サーバーマシン
1台で使うだけなんですから。。。どなたかご存知?

以上のような構成にして、シン・クライアント上で部署や社内に閉じた業務については、
 StarSuite や OpenOffice.org を使う。社外とのやり取りには、エミュレーター(VMwareなど)や、
遠隔デスクトップ(Real VNCやrdesktopなど)を、シン・クライアント端末上に投影して、使う。
もちろん、キーボードとマウス、画面は、机の上には1組だけ。

ファイルサーバーについては、UNIX 系からも Windows 系からも、同じように使えるようにする。

印刷については、、、、この分野は UNIX 系では、急速に Windows のような使いやすさに向けて
進化しつつありますが、やはりまだいまいちのようです。CUPS, Open Printing や、各プリンタ
ベンダーからの協力が必要な分野ですよね。

特に、今まであまり情報が公開していなかった(できなかった?) NEC も、この夏、Open Printing
対応の Linux 用のプリンタドライバーソフトを公開しました。NEC も、今後の
シン・クライアント端末への動向へ向けた準備をしているのではないかと思います。自社のプリンタが
UNIX 系のシン・クライアントのシステムで使えないとなると、危機的ですからね。


... えっと、途中、ずいぶんと はしょって、ごめんなさい ...


> 私の会社では「PC/AT 互換機-HDD+knoppix+rdesktop(改)」ですね。:) > シン
> クライアント。
> 
> つまりハードディスクがあれば普通の PC/AT です。
> 無理矢理ハードディスクとかフロッピーをとっぱずして使ってるだけですけど。(w

> # Linux デスクトップを起動してそのまま業務をする場合に、何が違うのか?
> # とか思いますが。

たぶん、たぶんですよ。狭義のシン・クライアント端末というのは、
CPUとメモリとマザーボード組み込みのビデオカードと通信周り、それにサウンドぐらい。
あっ、あとUSB。ではないでしょうか。
しかもですよ。CPU は数百MHz, メモリは256MBもあれば十分過ぎる。というようなスペック。

そして、価格は、1万円から高くても3万円ぐらい。ではないでしょうか。それに、
2万円ぐらいの液晶ディスプレイつけて、ちゃんちゃん。

というのが、来年あたり、各コンピューターメーカーから、どんどん出てくるのではないかと。
いかんせん、すでに PC 市場は飽和していますでしょ。

このシン・クライアント端末を使ったシステム一式お買い上げ。というのは、
企業ユーザーの買い替え需要をくすぐりますから。メーカーからしてみると、顧客がシステムを
いったん導入しちゃうと、その後、また数年間は売れなくなっちゃうから、今、まさに乗り遅れ
まいと、あせり始めているのではないかと。

という面から、技術面で Linux PC 端末と何が違うの。というような議論よりも先に、
市場は進んでいくのだと思います。

Tora


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