東です。

先週末、OSC福岡に参加してきました。
多くの方に話を聞いて頂けて、ありがたかったです。

へぇー面白そう、と興味を持ってくださる方がいる半面
Google mapsみたいな地図をみんなで作るったって無理じゃないの
みたいな言い方をする人もいて、
思いをうまく伝えられずにはがゆい思いをすることがあったので
この機会にOSMの特徴とか良さということについて改めて考えてみました。
みなさんの考えていることがありましたら教えてください。
OSMのことを説明するときの参考にさせて頂きたいと思います。


1.地図の品質について

先日、地図の品質に関する研究会の案内が来ていたのですが
現状、地図の品質について国土地理院さんが出した資料が2種あります。

◆空間データ品質評価に関するガイドライン
http://www.gsi.go.jp/common/000021092.pdf
◆品質の要求,評価及び報告のための規則
http://www.gsi.go.jp/common/000021696.pdf
一般的なマップがどの程度これを参考にしているかは分かりませんが
少なくともマップの品質を考える手がかりにはなると思い、ざっと読んでみました。
文中、データ品質要素を以下のように5つの指標で規定しています。
― 完全性
・アイテム(地物,地物属性及び地物関係)の存在及び欠落
― 論理一貫性
・データ集合,地物,属性及び関係に関する論理的規則の遵守の度合い
― 位置正確度
・地物の空間位置の正確度
― 時間正確度
・地物の時間属性及び時間関係の正確度
― 主題正確度
・空間属性及び時間属性以外の地物の属性の正しさ又は正確度

しかしざっと読んだ感想はつまらなかったです。
官庁の調達時に業者の成果物の質を計る基準、みたいな印象でした。
(元々そういう趣旨の資料なのかな)

一般論として参考にはしたいですが、我々が目指すのは
one of themでの横並び評価を受けるような方向では無いという気がしました。


2.OSMの目指すもの?

我々のマップは従来のマップとは違い、新たな価値を産み出しながら成長していく
その過程自体に特徴があると感じています。
マップをできあがったものとして使用(消費)する視点に立つと、
網羅性とか完全性とか言い出したくなります。
この視点でアプローチしてくる相手には、基本的にはあるがまま(as is)
にお使いください、と言うしかないのかなという気がします。

ただし、あるがままであったとしても欧米のマップはかなり充実しているし
日本もYahoo/ALPSデータのインポートが完了すれば、少なくとも
道路は国内をあらかた網羅することになります。
また、従来の品質基準の中でもデータの鮮度や更新頻度が高い点は
OSMの特徴でありアドバンテージだと思います。
さらに多言語対応やバリアフリー配慮など、ユニバーサルデザインの視点は
大きな特徴です。

しかし、いちばん重要な点は従来のマップに無い新たな価値を産み出したり、
何らかの課題解決に自らが能動的に関わるための道具として使うのに向いている、
といったところにあるのではないでしょうか。
そんなことを説明できる実例を作って行きたいと思うこのごろです。

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