From: "Kazunari Hirano" <[EMAIL PROTECTED]>
Subject: Re: [ja-discuss] Sun supports the Mac Aqua port
Date: Tue, 8 May 2007 09:00:51 +0900

> http://journal.mycom.co.jp/news/2007/05/07/002/
このニュースがあまりにも調べがたりないことを明確にするためにここに
記しておきます。海山氏には後ほど
https://secure.mycom.co.jp/journal/top/notice/inquiry/
からこのメールのURIを送ります。

海山氏は
http://blogs.sun.com/GullFOSS/entry/sun_microsystems_engineering_joins_porting
を全く読めていません。

まずタイトルから誤読しています。
> OpenOffice.orgがMacネイティブ対応に - Aquaへの移植が始まる

> Sun Microsystems joins porting effort for OpenOffice.org for Mac
上は原文の訳のつもりだとは思います。でもjoins porting effortで、今日始まったわけではない。

> OpenOffice.orgの開発動向を伝えるブログ「GullFOSS」は3日、
> Sun MicrosystemsがMac OS XネイティブのGUI環境「Aqua」向けにOpenOffce.orgの
> 移植を開始したことを明らかにした。

まったくミスリーディングです。SUNが*これまで存在していた*MacOSXの移植
にコミットすることを始めただけです。

1.0のころは、SunのエンジニアたちがVolunteerとして、
Dan Williams, Kevin, Scott, Ed ががんばっていました。NativeなOOoはありました。
そしてDanはその旨、2003にOOoConで発表しています。
http://marketing.openoffice.org/conference/presentations-pdf/fri1330/MacOSX.pdf
彼は就職を機にMacOSXからは離れました。
それから1.1のころはX11への移植はありましたが長い間コードは放置され、ついには動かなくなりました。
2.0ベースをMacOSX+X11の移植することをEric Bachard, Eric Hochらが始め、ほぼ完成させました。
それには僕も協力を惜しみませんでした。

ただ彼がNative版を作るといったときは、あまり相手にされていませんでした。
彼はプログラマではない本当の素人だからです。少しくらいコードはかけるが、技術力はほとんどない。
でも、彼は勇敢にも、OOoConference2005 Sloveniaにおいて発表しました。これは初めて公式に
発表したものだと思われます。
http://marketing.openoffice.org/ooocon2005/presentations/thursday_b2.pdf
そして、それに動かされた開発者の一人、
Florian Heckelは1.0ベースのVCLの残骸をまずコミットしたと記憶しています。

> 移植のためのサブプロジェクトは「aquavlc01」と名付けられ、
> 安定しないながらも最新のコードベース(src680-m211)での動作が報告されている。

これも全く調べが足りません。またもやミスリーディングです。

少なくともaquavcl01は2005年11月17日から存在しています。
http://www.go-ooo.org/bonsai/cvsquery.cgi?treeid=default&module=all&branch=cws_src680_aquavcl01&branchtype=match&dir=&file=&filetype=match&who=&whotype=match&sortby=Date&hours=2&date=all&mindate=&maxdate=&cvsroot=%2Fvar%2Fcvsup

SRC680_m211で動く以前にそれ以前のmilestoneでも動いています。
それはPavel Janik, Eric BachardのBlogからも明らかです。
http://blog.janik.cz/images/MacOSX/2006-08-10/
これは昨年の8月です。
僕も以前手元で動かしました。ただまともに動作はしませんでしたが。

> VCLのMac OS X/Aquaへの移植が完了すれば、Mac OS 
> Xの主要APIの1つ「Carbon」を通じてGUIを実装できるため、操作性の向上が見込まれるほか、他のプラットフォームと分かれていた開発体制の一本化が期待できる。

意味不明ですが、Carbonを使うと決定したのは、毎週日本時間土曜の朝六時からやっている
Eric主催のMac porting teamのIRCでした。夏の朝だったと記憶してます。いろんな
開発者がどちらがいいか論理的に、熟考をした後、そう決めたと記憶しています。

もちろん、HamburgのPLやHDUがものすごい力をもっているというのは周知です。
しかしコミュニティの人たちははものすごくがんばった。明らかにnon-negligibleな努力です。

それらさえも、ろくに調べもせずにニュースとして取り上げるのは全く不誠実だと思います。
-- Nakata Maho ([EMAIL PROTECTED])
 

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